さすらいライター、みずぐちもとゆきが綴る日常と非日常

0730 かたる、しす。かきしるす。

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語りたい相手を失ってはじめて、いかに語りたかったかを知る。
しかし「なにを」「いかに」語りたかったか、
その感覚はすぐに消えてしまう。
 

 

恥ずかしながら、いままで「あえて書く」意味がわからなかった。
書くことはとても孤独な作業だ。ぼくは孤独が苦手だ。
語りたいなら、直接語りかければいい。
相手のいないラブレターなんて、書いてどうする、と。
 
でもそうではなかった。
もう自分の知っている誰かに、語りかけられる人がいないことに気づく。
もう自分の語りが、誰に届くこともないことに気づく。
 
その絶望のなかにあって、まだ語らずにはいられないことがある。
そんなとき書くしかないと知る。
 
それは、自分の知らない誰かに、
この語りが、きっとなにか意味を持つのではないかという、
わずかな希望を込めて成り立つ。
あるいは、いまこの瞬間には届かない語りが、
いつか届くかもしれない、期待を込めて書いている。
 
安易にそんな期待や希望が持てるわけではない。
わずかな希望をもつのは、誰かの書き記したものが、
自分の心の糧となった経験があるからだ。
心を揺さぶられ、それにすがり、なんども刻み込み、
信じながら、疑いを向け、その語りとともに過ごした経験があるからだ。
 
こんなことを書き出して意味があるのか、自分にはわからない。
でもきっとなにか意味があるのだと、信じて、ここに書き残す。