さすらいライター、みずぐちもとゆきが綴る日常と非日常

できることの積み重ねが暮らしを彩る。映画「人生フルーツ」を観て。

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京都シネマでアンコール上演されている「人生フルーツ」を観に行く。
アンコールするような人気作で、開場の1時間前に行ったのにすでに満席。

 

この映画を紹介してくれたのは、もう付き合い5年にもなる友人。
もっちー(あだ名)、絶対いいから、観に行きなよ」と
わざわざチラシを持ってきてくれた。
それから数ヶ月。偶然、アンコール上演のことを知って、
いまみるべきだなと、人生で初めて立見することに。

 

愛知県、名古屋の郊外にある高蔵寺ニュータウンに住む一組の夫婦。
二人合わせて170歳を越える津幡さん夫妻。
建築家の夫、修一さんが自ら設計した自宅。
その庭で野菜や果実を育てながら暮らす妻、英子さん。
小さなことをこつこつと積み重ねる二人の暮らし。

 

風が吹けば木の葉が落ちる。
落ち葉が落ちれば土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
人生、フルーツ。

 

二人の暮らしの向こうにはいつも自分の子供や孫の世代のころに
どうなってほしいかという「ゆめ」を抱いている。
でも、日々の暮らしは小さなことの積み重ねでできあがっている。
それは果てしないようにも感じられるが、一歩一歩は着実で足取りの途絶えない、
前に進みつくりあげていく「つよさ」を感じる。

 

自分のできる小さなことをコツコツ積み重ねる。
それが積み重ねていった先にどんな暮らしが、未来が待っているのだろう。

 

夏の着物をもらったから、夏まで生きようと思う。
太宰治は小説のなかに書いたことがあるという。

 

ここに置き換えてみれば、
今年は梅酒を漬けたから、飲めるようになる来夏まで生きようと思う、といったところか。
そんな仕込みの繰り返しが日々の暮らしをつくりだしている。

いまの時代、あえてまわりみちをするようなことかもしれない。
買えば、使えば、思った瞬間にすぐに手に入る。
たしかに、瞬間に手に入る快感は代えがたいものがある。

 

でも日々の暮らしをこつこつ自分の手で築き上げていく
その過程の経験や得られる充足感は、
その道のりが長い分、瞬間では消費されない、日々生きていく実感を覚える。

 

いまの自分からはあこがれでしかないけれど、
「できることでいいから、小さなことをこつこつ」積み重ねてみたい。