さすらいライター、みずぐちもとゆきが綴る日常と非日常

喫茶店で待ち合わせるような、そんな関係がちょうどいい。

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『生きていくうえで、かけがえのないこと』吉村萬壱亜紀書房
『生きていくうえで、かけがえのないこと』若松英輔亜紀書房
という本がある。

勤め先の本屋で入荷して、先輩に勧められて手にとった。

 

2人の書き手が「生きていくうえでかけがえのない」
25のテーマに、それぞれの視点で向き合っている。

「食べる」とか「眠る」とか「愛する」とか……。
普段何気なくやっていて、ふとすれば考えたこともない。

 

「待つ」という章があって、
気になって「吉村萬壱」版のその章を読んだ。

SNSでハブにされないように、必死に返信を書く人を見かけて、
本当の友人関係とはなにかと著者は考える。

それから価値のある作品とそれを生みだすための時間という視点に移っていく。
どちらにも共通して、その時間を待てる、耐えることの大切さを示す。
その時間を耐えれてこそ、真に価値ある友人(作品)になるという。

 

そういえば、そんな関わり方をしてくれる友人がいる。
時々、便りをくれて、おたがい頑張ろうといって励まし合う。
忙しくて連絡ができなかったり、予定が合わず会えないことも
なにも言わずに流してくれる。

そんな彼との関係がなんだかんだ4年ほど続いている。
ぼくは彼に対して身勝手かもしれない。
でもそのおかげで、彼とは多くの言葉を交わさずとも、
ぼくにとっては、頼もしい友人である。


あるとき、また別の、大切な友人と喧嘩をしたことがある。
いくら言葉を交わしても、互いの理解が深まらない。
ついに返事をくれなくなった。
焦りを感じる度に関係が遠くなるような錯覚を感じた。

彼らにとって、ぼくは本当の友人足り得ただろうか。


著者はこの章の最後をこう締めくくる。

真に価値あるものは、ラインみたいにすぐには返事が返ってこない。
必要な時間に耐えることで、相手のみならず自分もまた鍛えられるのだと思う。

いまはそれに耐えれるように、自分を鍛えあげる時間なのかもしれない。
そう思ったら肩の荷がすこし軽く感じた。